バーという名の付くお店には様々なスタイルがあります。
オーセンティックバー・ビアバー・ワインバーなどはもちろん、最近では日本酒バーも人気ですね。
今回ご紹介するのは、スタンディング・バーという形態のお店について。
特徴はその名の通りイスが無く、お客様は立ちながらお酒を楽しむ空間です。
取り扱うお酒に関しては同じスタンディング・バーでもお店ごとに様々な違いがあります。
私が勤める〈BAR夢幻〉ではカクテルやウイスキーなどできるだけ幅広い提案ができるように用意をしています。
お客様から良く聞くお話が3つあります。そのお客様が持たれているイメージと私が5年程務めて感じた事を書きます。
1.「スタンディング・バーで長居はNG」
2.「立って飲むと酔っ払わない」
3.「他のお客様と仲良くなりやすい」
解説をしていきましょう。
1.の「長居はNG」は一言付け足すと正解になりますね。それは「一杯で」
隙間の時間に来られて一杯で帰る方は確かに多いです。
「待ち合わせまで時間ができたから」や
「寝酒に一杯甘いカクテルを」とか。
30分くらいの利用でもとても嬉しいですね。
反対に長居をしてもらっても何杯か飲んでいただけたら嬉しいです。そこは他のバーと変わりません。
10分でも3時間でも、開店から閉店までずっと居てもらっても(限られた猛者ですが...)、皆様のお時間ですのでお酒と共に自由にお過ごしください。
2.の「立って飲むと酔っ払わない」説は自分なりの見解もあり、正しいと思います。
座ってお酒を飲んでいてイスから立ち上がったら、あれれお酒がまわって来たぞ。
こんな体験がある方も多いのではないでしょうか。
あるいは心地良いBGMで、ついカウンターでウトウトなんて経験はございませんか?
立ちながらお酒を飲むには、もちろん立っていないといけません。
おそらく座って飲む時よりも、「ちょっと酔ってきたな」と気がつくポイントが多いはずです。立ちながらウトウトするのも難しいですからね。
なので、2つ目のお客様が抱かれるイメージ「立って飲むと酔っ払わない」は、「立っていると自分の酔い度合いが分かりやすい」という事ですね。
3.の「他のお客様と仲良くなりやすい」
確かにイスが無いので混雑時は一人一人のお客様のスペースが狭くなります。
自然と隣の方との距離も縮まりますよね。
私が考えるのは「距離」とは決して物理的な問題だけでは無いという事です。
心の「距離」もありますし、何よりその時々のお客様の心の状態もあると思います。
物理的な距離が縮まっただけで仲良くなれるなら、満員電車は恋やら愛やらでガラスが曇ってるでしょうね。
まずはお酒や空間を楽しみにバーに行ったら良いと思います。
自然体で楽しんでる方には、自然と楽しい会話がついてきますから。
なので3つ目のイメージの「他のお客様と仲良くなりやすい」は、お店に来て答え合わせをしてみてください。
私自身勤める前と今では、スタンディングバーのイメージがガラッと変わりました。
まだまだこの空間には未知な部分もありそうですね。
ヒールを履いて7時間くらい飲む女性もいるので、案外立ち飲みも疲れないと思います。
ぜひ一度、立ちながらグラスを傾けに遊びに行ってみてください。
文・写真 BAR夢幻 松永無限
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